株式会社神奈川こすもす セレモニーサービス部 部長 水田明彦

商品設計を見直して良いプランが出来ても、それで安泰ではありません。商品力と販売力の両輪がうまく回ってこそ、売上につながるのです。そこで今回は、ライフアンドデザイン・グループ(以下、L&Dグループ)の子会社、神奈川こすもすで、単価・件数向上施策の責任者を務める水田に「強い葬儀社の営業力」の真相について聞きました。

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全社での取り組みが成果創出の鍵

━━新型コロナウイルス対策で、神奈川県も緊急事態宣言の対象地域となりましたが、影響は出ていますか?

弊社の場合は、もともと家族葬中心なので目に見えての影響は今のところありません。ただ、食事がキャンセルになったり、火葬式への変更など徐々に1件あたりの単価が下がってきているなと感じていますね。

━━ホール内のこまめな消毒だったり、いつも以上に気が張りますよね……。
さて、本日は神奈川こすもすの「営業力」について、その秘密を教えていただけますか?

最も特徴的なのは、全社一丸となって売上向上に取り組んでいる点でしょうか。弊社では受注担当者だけでなく、施行担当者、内勤メンバー、ホールスタッフも巻き込んで、全員で単価アップにコミットしています。

①誰もが売上に貢献し、評価される仕組み

弊社のお客さまは、地域柄、ご逝去から葬儀まで4〜5日お待ちいただくケースが多いんです。そこで受注担当者は、喪主様との打合せ後、施行日までに喪主様に働きかけできることを施行担当者に申し送ります。こういう提案をしてみたから、お式までにもう一度ご意向を伺ってみて、といった具合です。

施行担当者は、ご遺族が安置室へ面会に来られた際や当日にも折を見てアプローチをするんです。また、喪主様だけでなく、ご親族や参列者へお声がけをすることも大事です。これらは施行担当者だけでなく、内勤メンバーやホールスタッフも同様で、彼ら彼女らの働きが単価向上に貢献した場合は、きちんとインセンティブを受け取れる制度を整えています。

②目標を見える化し、高速でPDCAをまわす

全社の売上目標や単価は、グループウェア上で常に見えるようにしていて、受注担当者だけでなく、内勤メンバーも含め、皆が目指す売上額を答えられるよう意識してもらっています。また、受注担当者は1件担当する都度、グループウェアに結果を入力する。そして、予め設定されているマイルストーンが達成できたか否かをひとつひとつチェックするのです。

何が達成できて、何が達成できなかったかを自分の手で入力することで深く振り返るきっかけとなり、すぐ次の案件に生かせます。さらに、この記録は全社員が見える状態にあることから、お互いに他のメンバーの動き方を参考にしたり、アドバイスしたりすることもあります。

③互いに称賛しあうことでモチベーションアップ

各案件で良い結果が出せたとき、目標を達成したときには皆で称賛します。それはグループウェア上だけでなく、オフィスに戻ってきたときに社内にいるメンバーでスタンディングオベーションで迎えたり。私も、今まで成果があげられなかった担当者が結果を出したときなど、思いっきり褒めていますよ。褒められることは自信になり、新しいチャレンジをしようという勇気にもつながります。

四番打者には、より多くの打席を

━━現在のような仕組みは、どのような経緯で取り組むようになったのですか?

以前は、弊社でも確実に受注を取れる担当者のみ集中的に頑張って、施行担当者は式に専念するような態勢を取っていたんですが、数年前にL&Dグループ専務の伊藤が弊社の経営指導にあたるようになって以降、受注担当者のブラッシュアップを段階的に進めてきました。そして、受注担当者のレベルがある程度の水準に到達したなというタイミングで、次は全員営業に向けた取組みに移ってきたのです。

━━受注担当者のスキルを上げるためにどのような施策を取られたのでしょうか。

お客さまから依頼を受けたとき、機械的な順番で担当者を割り振るのではなく、活躍できる人がより多くチャンスを得られるようにしています。売上を上げてこれる担当者には直販を、まだスキルが不足しがちな担当者には外販を、という感じですね。公平だけど、平等にはしていません。

できる人にはどんどん打席が回ってきて、さらに成果を出し始めます。そうすると今まで、できない言い訳をしていた人が変わってきたんです。できる担当者のマネをし始めて、みんながどんどんレベルアップしました。会社側もそれをサポートする形で、できる担当者の営業シーンを動画に撮って回覧したり、営業が苦手な担当者には、お客さまとの面談前に毎回、上司に電話して今日のスクリプトをロールプレイングしてから行くような仕組みを作ったりもしました。

もうひとつは、担当者が勝手にお客さまを評価してしまい、せっかくの良い商品を勧めていない場合があることです。特に施行担当者は、単に与えられた業務をするだけでもお客さまに「ありがとう」と言われる仕事。それに満足してしまって提案しない。

でも、たった一度しかない葬儀でお客さまに後悔してほしくないですよね。こういうこともできるんですよ、とお勧めした結果、お客さまの満足につながることもあります。とにかく動く(提案)することを強く推進しています。

また、故人のために何かしてあげたいと思っているのは、喪主様だけではないんです。ご親族や参列者も故人を悼む気持ちをなにか形として表したいと思っていることがあります。適切なタイミングでお勧めしてみてください。あくまで、選ぶのはお客さまなのです。

━━営業を苦手とする担当者は、大切な人を亡くしたばかりの方に商品を提案することが人の弱みにつけ込むようで抵抗感があるという人も多いように思います。

そういった面はありますよね。そこで、マインドセットを変えてもらうためにデータを示したんです。お客さまアンケートの結果を見ると、売上を上げている担当者は満足度も高い。考えてみれば、それは当たり前のことです。お客さまは、その担当者に好感を持ったからこそ、信頼して買ってくださっているからです。満足度の高さと売上は比例する、ということを理解することが大事です。

画像: 社内に生花部門があるため、急な発注に機動的に対応できるのも神奈川こすもすの強みのひとつ

社内に生花部門があるため、急な発注に機動的に対応できるのも神奈川こすもすの強みのひとつ

臨機応変なインセンティブ制度

━━ところで、インセンティブはどうやって決めていますか?

年度予算の中で大きな枠を決めていて、細かい調整は部長である私に任されています。ですので、月次の状況を見ながら臨機応変に新しいインセンティブを追加したりもします。

初期には、特定の商品を売ったらインセンティブを付与するような方式を取っていたのですが、それだとお客さまの要望も顧みず、とにかくその商品を売ることにばかり注力してしまいがち。そこで、今は売上連動性に変更しています。そうすることで、担当者は、どのプランを売る場合でも1円からでも意識して取り組めるようになりました。

それから、目標達成した場合のインセンティブはもちろんのこと、目標数値を110%、120%を超えたときには、さらに大きなインセンティブを与えるようなことも行っています。そして、こういう柔軟な取組みができるのは、ここまでならインセンティブを付与しても利益面でも問題ないという線引きを予め決めているからこそなんです。

━━単価の面で、もうひとつ。事前相談で出した見積に縛られて、なかなか追加の提案が出来ないのが悩みなんですが......

事前相談の担当者には、とにかく最安値で見積を出しなさい、と言っていますね。まだ具体的な相談になっていないことが多いですし、まずは接点を持つことが大事ですから。そして実際に受注する段階で、どうやって単価を上げていくのかは受注担当者の役目、と分業制の仕組みをうまく活用しています。

フューネラルアカデミーでは、その具体的な方法や施策についてもたくさんお話ししたいと思っています。ぜひ、ご参加をお待ちしています!


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