トップインタビューvol.11 株式会社ユニクエスト 取締役 八田知巳氏

 自らはインターネットを経由した受注業務に徹し、実際の施行については既存の葬儀社に外注する━━。10年ほど前に登場したこのタイプの事業者の存在感の高まりは、近年の葬儀業界における大きなトレンドといえよう。

 今回は、そうした事業モデルの先駆けでありリーディングカンパニーである株式会社ユニクエストの八田知巳取締役にお話を伺った。同社が展開する「小さなお葬式」の現状やその強さの秘密について迫る。

競合が増えることで
業界全体の活性化を期待

━━DMMが葬儀業界、それも同様な業態として市場に参入することになりましたね。どのように受け止めていますか。

 先日、あるイベントで終活ねっとの事業責任者の方にお目にかかる機会があったのですが、「葬儀の場合、受注して葬儀社さんを手配すれば終わりというわけではなく、思っていた以上に多岐に渡る準備や段取りが必要だと分かって苦労しています」といったお話をなさっていました。とは言え、他の業態で実績ある企業さんですから、いずれこの分野で有力なライバルになり得ると思っています。

 日本全体で見れば、ネットで葬儀サービスについて調べたり、電話で注文したりするという人は、まだまだ少数派です。DMMさんが加わることは、間違いなく潜在顧客の掘り起こしや拡大につながると思うので、我々としては大歓迎です。

 様々な観点から事業者を検索・比較した上で、最終的にユニクエストをお選びいただく方が多くなる……そのような結果を期待していますし自信も持っています。

画像: AGE100RATINGは、65歳以上の「生の声」と有識者の意見をもとに人生後半への貢献度を数値評価し、認定する制度。 ユニクエストは、2019年に最高位の「GOLD」ランクに認定されている。 www.age100.or.jp

AGE100RATINGは、65歳以上の「生の声」と有識者の意見をもとに人生後半への貢献度を数値評価し、認定する制度。
ユニクエストは、2019年に最高位の「GOLD」ランクに認定されている。

www.age100.or.jp

━━圧倒的な知名度と実績で知られるユニクエストですが、直近の受注件数はどのような状況なのでしょうか。また受注された案件を依頼する葬儀社や、実際に葬儀を執り行う会場はいかほどなのでしょうか。

 昨年度(2018年度)の受注件数は約4.3万件でした。今年度(2019年度)は、これまでの進捗状況を踏まえると4.8万件程度と想定しています。

 提携葬儀社はおよそ1,200社で、会館数でいうと4,300館です(2019年11月現在)。会館数については3,000とか4,000といった数を挙げている企業さんもありますが、そこには公的な会館など、誰でも利用可能な会館も含んでいるケースが多いと思われます。数としてはあまり大差なく見えるでしょうが、そういったところに比べ、質の高い会館を手配できるとの自負はあります。

━━御社のように、多くの件数を扱うようになると、天候や気象に関する予報データから、死者数や葬儀の受注件数をかなり高い精度で予測することができるのではないですか。

 チャレンジはしているのですが、まだまだそういうレベルではないですね。冬が近づいて気温が低下する、または台風接近により気圧が下がると亡くなる方が増えるので、気温や気圧の変化が件数と密接に関係していることは認識していますが、例えば大きな災害の後に心理的影響で死亡者数が増加するなど、突発的なものも絡んでくるので、簡単ではありません。

 絶対数を的中させるのは困難ですが、傾向については明確です。皆さんご存知の通り、1~2月をピークとして寒い時期に件数が増えることは当社の実績データでも裏付けられています。じゃあ暑い時期は少ないのかというとそうでもない。データを見る限り、気候的に過ごしやすい6月頃、9月頃が底でその間に小さな山が見られます。繁閑差でいうと、繁忙期は閑散期に対して概ね1.3倍といった水準です。

画像1: トップインタビューvol.11 株式会社ユニクエスト 取締役 八田知巳氏

━━御社はネットやITに強い会社というイメージがあります。ところが最近は、少なくとも私の住んでいる地域においては、「小さなお葬式のTV-CMを見ない日はない」といっても過言ではありません。どのような狙いが込められているのでしょうか。

 関西在住の方はそのように感じていらっしゃるかもしれませんね。今年の夏頃から始めた実験的な取組みなのですが、関西エリアと岩手など一部の地域でTV-CMを開始しました。CM出稿によって、Webサイトへのアクセスやコールセンターへの入電に影響があるのかないのか、本拠地とネットでの葬儀サービス検索があまり行われていない地域とで、効果を確かめながら検証を進めています。

━━父母の葬儀を出される方の年齢層としては50代くらいの方が多いかと。パソコンやスマートフォンなどのIT機器をそれなりに使ってきた世代ではありますよね。

 そうですね。一方で、今の20代・30代のように、ネットの世界だけで知られる企業を全面的に信頼して積極的に取引されるかというと、そうではないと思います。マスメディアの代表であるテレビ媒体への露出により信頼感を得ることが、ネットで葬儀を探すという文化醸成にどの程度有効なのか……そんなことも考えつつ、エリアを絞って試行錯誤を行っているところです。

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