客観的な情報を提供することで
お客さまの選択肢を増やしていきたい
━━この記事の読者の中にもきっと御社と提携している企業の方がいると思います。少々内輪っぽい話になってしまいますが、お客さまのニーズを満たす会社が複数あった場合には、どのように依頼先を選定するのでしょうか。
これについては当たり前の話になってしまいますが、顧客満足度の高さということに尽きると思います。依頼いただいた葬儀が満足のいくものであったか否か。我々は葬儀を終えられたお客さまに評価いただき、そのデータを蓄積・分析しています。
会館や設備が古かったなどハード面に対する指摘については致し方ない面もあります。重視するのは大切な人を見送る場に相応しいホスピタリティのある対応や接客がなされていたかどうかという点です。
━━葬儀紹介業とか葬儀仲介業という言葉をよく目にするのですが、契約上はあくまでもユニクエストが契約主体であり、施行を依頼する葬儀社は外注先になるわけですよね。
その通りです。ですからお客さまに対する直接的な責任は当社が負うことになります。深刻なクレームであれば我々がお詫びしたり、重大な過失があれば返金等の対応が必要になったりするかもしれません。そうした事態を招かない提携先であれば我々としても安心して送客することができます。
でもお客さまは千差万別ですから、「言うは易く行うは難し」だと思います。先ほどは、同様な事業モデルの企業との競争に勝つ自信があると申し上げましたが(笑)、そうした手応えの裏付けは何かと問われれば、ユニクエストが承ったご葬儀であっても、自社が受注したお葬式と同じように真心を込めて施行を担って下さる提携葬儀社さんの存在だというほかありません。そういうパートナーに支えられてこそ成り立つビジネスだと思います。
━━今後の展望を聞かせて下さい。
私たちユニクエストに対して、日本中で葬儀の簡素化や価格破壊を押し進めようとしていると捉える向きもあるでしょうが、そんな風には考えていません。
幅広い選択肢の中から、経済事情や地域性、ご家族の思い、故人の社会的立場や交友関係など個別事情に合わせて葬儀の規模や態様が決まっていけば良いと思います。ご本人やご家族が、盛大な式を望まれるのであればその思いは尊重されるべきです。簡素化一辺倒が望ましいとは思いません。
ただ、不透明なものに納得がいかないまま高い費用を負担して、結果的に残された方々のその後の生活が立ちゆかないというのではやはり具合が悪い。何にどれくらいお金が掛かるのかをきちんと知った上で、それぞれ納得のいく形で自己決定できるのが理想だと思います。
少し前に、英国の葬儀事情を取り上げた記事を読みました。それによれば、日本における平均的な葬儀費用が約120万円であるのに対し、英国では約90万円と4分の3程度だそうです。
ただ日本では、経済事情や葬儀に対する考え方に応じて、掛ける費用にある程度バラツキがあるのに対し、英国では世帯収入とは関係なく総じてそれだけの費用が掛かっているとのこと。経済的な余裕がない親族にとってはその費用負担が重く、一部で社会問題になっている━━そのような内容が紹介されていました。
客観情報を元にきちんとした選択肢が提示されることが、消費者にとっていかに重要なことであるか、それを示す好例といえるのではないでしょうか。我々ユニクエストは、その方向から葬儀業界が幅広い利用者から支持されるよう力を尽くしていきたいと考えています。
インタビュー・構成=甲幡太一
最近読んだこの本
八田取締役に、最近読んだ本の中でおすすめの一冊をご紹介いただきました。
『ユダヤの商法』藤田 田著
「ここで1冊紹介させていただきましたが、実は、これから読んでみたいと思っている本です(笑)。最近買った本はいっぱいあるんですけど、全然読めていなくて。
この本を読みたいと思ったきっかけは、Yogibo(ヨギボー)というビーズソファクッションブランドを展開する、株式会社ウェブシャーク代表の木村誠司さんが、「(『ユダヤの商法』の作者)藤田田はすごい。私の商売はこの本から始まった。」っていう投稿をあげられていたんですよね。本自体は昔から知っていたんですけど、尊敬する経営者の方が勧めていたので、読んでみようと思っています」
【プロフィール】八田 知巳(はった ともみ)
1984年生まれ。大学卒業後、ベンチャーキャピタルやベンチャー企業での勤務を経て、偶然知り合った当時の社長に誘われる形で、(株)ユニクエスト・オンライン(現(株)ユニクエスト)に入社。現在は取締役として、リスティング広告などを出稿するマーケティング部門、コールセンター機能を担う営業部門、提携葬儀社を開拓する法人営業部門を所管するほか、スポークスマンとして「小さなお葬式」に係る対外発信を一手に担う。
▼ユニクエスト公式サイト
https://www.uqo.jp/
<ユニクエストのキラリビトたち>