エンディング事業に特化した日本最大級のイベント、エンディング産業展は2019年8月20~22日の3日間に渡り、東京ビッグサイトにて行われた。今年は約350社が出展し、22,000人を超える業界関係者が来場した。
当編集部では災害対策、超高齢化による変化、環境問題など社会情勢に合わせて作られたアイテムにフォーカスしてお届けする。
防災具としても使用できる「水ろうそく」
火を使わず、乾電池も不要、少量の水に本体をつけるとゆらゆらと発光する「水ろうそく」。片手に収まるコンパクトサイズだが、暗闇でもろうそくのような明るさがある。
販売するのは、災害用品としてアクアルミナスというLEDライトなどを取り扱う株式会社リブライト。最近は、ご自宅や納骨堂などで火の使用を避ける傾向があることから、需要があると予測し本商品を開発、出展した。
まだ量産はされておらず、本展での反応を見てからということだが、災害がいつどこで起こるかわからない現代、ニーズが高まりそうなアイテムだ。
<会社概要>
株式会社リブライト
〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目6番12 STAFビル2階
葬儀参列が難しい高齢者向け、車でのホーム葬(移動葬祭車)
約2年前からアイライフマネージメント株式会社が取り組む移動葬祭車。
介護施設や老人ホームで晩年を過ごした方のお別れ会を行う際に移動葬祭車で施設に向かえば、外出が困難な方も参加していただくことができる。さらに家族葬や直葬などの増加に伴い、葬儀に参列できなかった会社関係の方とのお別れ会などでも利用されている。
実績はまだないとのことだが、葬儀を行うことも可能。車内全体が木目調に改装されており、車の中に祭壇が設けられている。車椅子をご利用の方でもリフトで登ることができる。
<会社概要>
アイライフマネージメント株式会社
〒454-0871 愛知県名古屋市中川区柳森町502
環境問題の観点から、水に溶ける紙でできたおくり鳩、水鏡菊
海洋散骨の際に、手向けられる花々は海中で分解されにくく海洋汚染のリスクがある。そこで、生花を投げるのではなく、水に溶ける花と手紙を提案しているのが株式会社エヌケー。
ひとつは、骨壷にお手紙を入れるように、鳩型に折られた水溶性の紙にメッセージを書いてお骨と一緒に海へ送る「おくり鳩」。
また、花の形をした「水鏡菊(すいきょうぎく)」は、水に入れると花びらが1枚ずつ水を含んで一旦沈み、水中で再び菊の花の形に広がり溶けていく幻想的なアイテム。
女性の視点で開発された温かなアイテムはお見送りする際のグリーフサポートとしても活用されている。
<会社概要>
株式会社エヌケー
〒343-0012 埼玉県越谷市増森2-35-1
樹木葬、海洋散骨、宇宙葬などは、徐々に一般の人々にも浸透しつつある。エンディング業界へ新規参入を試みる企業も多い中、この業界で生き残っていくには人の想いに寄り添い、社会情勢の変化を取り入れ、ニーズを地道に掘り下げていくことが大切である。