パシフィコ横浜(横浜市西区)で6月28日(木)・29日(金)に開催された、国内最大級の葬祭サービス・ライフエンディングサポートシステムの総合展示会&シンポジウム「フューネラルビジネスフェア2018」(綜合ユニコム株式会社主催)において、(一社)日本遺体衛生保全協会スーパーバイザーで日本トレードエンバーミングサービス代表の馬塲泰見氏がセミナーを行った。

 テーマは「なぜ、エンバーミングをするのか エンバーミングの役割、エンバーミングのできることとは」。馬塲氏はセミナーの中で、「より安全に、より安心して故人との別れを行うにはエンバーミングが必要」と語った。

遺体を殺菌して
近親者の感染を防ぐ

 エンバーミングは日本語に訳すと「遺体衛生保全」であり、遺体を殺菌・防腐・修復する技術だ。遺体の身体や髪を洗い清め、化粧を施し身支度を整える「湯灌」や「エンゼルケア」よりも、防腐・殺菌を徹底して行うのが特徴。そのため、遺体から何らかの細菌・ウイルスの感染を防ぐことができる。

 「ご遺族や参列者は大切な人を亡くして免疫力が下がっている場合があります。そんな状態で故人に触れると病気の感染もありえる。殺菌することでリスクを低減できるので、ぜひ処置を行ってほしい」(馬塲氏)

 また、遺体を保持するという観点で、殺菌と同じく重要になるのが「防腐」だ。生命を維持するために必要な酵素や胃液などが、死後、自身の腐敗を促進する「自己融解」。これを防ぐためには、ホルマリンを使用し、融解を始めたたんぱく質などをホルムアルデヒドの「架橋反応」によって、橋を架けるように安定させるという。

画像: 特設ステージにはエンバーミングに関心を寄せる葬儀関係者が多数集まった

特設ステージにはエンバーミングに関心を寄せる葬儀関係者が多数集まった

求められるのは
さまざまな状況への対応力

 エンバーマーにとって何よりも使命感を覚える処置が「修復」。事故などで傷ついた顔や体を、生前の姿に戻す技術だ。ただし、損傷の度合いによってはかなり困難な作業となる。

 「痛ましい姿となった故人と、その姿のままお別れすることは大きな後悔を残します。また、行政解剖や司法解剖、臓器移植などでも遺体は損傷する。エンバーマーはあらゆる状況、事態に対応できる技術を持っている必要がある」と自戒を込めて話す。

エンバーマーの技術は
災害の現場でも役に立つ

 現在は核家族化が進み、いざ葬儀となって家族が集まるとなると、時間がかかる場合がある。また、外国人の葬儀も増えており、「遺体を祖国へ帰してあげたい」という要望も少なくない。そうした場合にも、エンバーミングは遺族の意向を叶えることができる。

 「特に最近は、地震や津波、噴火といった災害をニュースなどで目にすることが増えました。そうした災害時に、本来なら生存者を治療しなければならない医療関係者が、ご遺体の安置や搬送に奔走しているケースもあります。今後は、ご遺体の扱いに長けているエンバーマーがそうした役割を担うことも必要です」(馬塲氏)

 また、大規模な災害になると、被害者の遺体が見つかっても、その変わり果てた姿に遺族はさらなるショックを受けることになる。「大切な人を亡くした悲しみを少しでも癒すためにも、エンバーミングの技術を広めていきたい」と馬塲氏は締め括った。

画像: 2017年度の年間処置件数は40,000件を超えたそうだ

2017年度の年間処置件数は40,000件を超えたそうだ

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