
株式会社八木研による2020年新商品内覧会が、1月22・23日にギャラリーメモリア大阪梅田店にて、1月29・30日に同東京銀座店にて開催された。
注目の商品は「ネージュ」。ホワイトオーク材をブルーブラック色で仕上げたモダンな外観に、すっきりとした脚付きのデザインである。同じく脚付きの「エール」は、木材本来の杢目を生かした本体部に、白やミッドグレー色の脚が軽快な印象。
同社広報企画の小川さんによると、脚付きデザインはインテリア性が高くて圧迫感を感じない、と人気のため、今期、ラインナップを増やしたのだそう。
ネージュ:背板には雪の結晶をイメージした透かし彫りが施され、御本尊を置くと後光のようにも見える
エール ライト:ナチュラルな杢目のボディに白い脚。位牌と具足は海をイメージしたブルー系で揃えて
北山:こちらは和風テイスト。竹を組み合わせた集成材を、縦・横・縦と向きを変えて3枚貼り合わせて使用。木の仏壇とは一味違う侘び寂びな印象
テネラ:国産高級学習机のパイオニアである浜本工芸とのコラボ商品。家具で培った技術が随所に光る
ウィロー:北欧調のオープンタイプ。背板に使用したのは手刷りの京唐紙。柄には「モダンデザインの父」ウィリアム・モリスのテキスタイルデザインをあしらい洗練された雰囲気
また、今年は仏具の新商品も豊富に展開している。
例えば、新作の過去帳は、新潟漆器変わり塗や、越前塗一閑張り、箱根寄木細工など日本の伝統工芸の魅力を生かした表装が印象的だ。同社で商品企画を担当する奈部さんは「これまでにない素材の組み合わせなので、表紙と内部の折本がうまくくっ付けられるか、何度も職人さんとやり取りしました」と語る。
その他に、信楽焼の作家と共同開発した六具足、京都の組紐職人が手掛けたリン棒など、いずれもモダンな仏壇に合うデザインだ。
モダン過去帳:手前から、箱根寄木細工で作られた「こもれび」、新潟漆器変わり塗の「朧(おぼろ)」(茶金と銀の2色)、越前塗一閑張りの「いろは」(キャメル・レッド・ブルーの3色)
安土:信楽焼き作家さんと共同開発した六具足。柔らかい質感の陶土に白い釉薬の垂れを表現。温かみを感じるセット
近江:安土と同じ信楽焼。白い陶土で、内部に刷毛で撫でたような銀彩が施されている
組紐リン棒:今、女性に人気の組紐を使ったリン棒。輪っかの内部には細い金属が編み込まれており、まるい形状を保つ
ちりめん飾り:季節ごとのお供え物を模して、手のひらサイズでつくったちりめん飾り。それぞれの季節に合わせて故人との時間を楽しめる
同社では、年1回の内覧会に合わせて毎年、数十点の新しい商品を発表している。これまでの仏壇・仏具の印象を一新するような斬新なデザインから、従来の仏壇のイメージを大切にしながらも現代のインテリアに溶け込む仏壇まで、モダン仏壇のパイオニアとしての提案力が魅力だ。
▼株式会社八木研公式サイト