8月中旬に公開された、スマート仏壇のコンセプトモデル「コハコ」。 故人の名前を呼びかけると遺影の写真が表示され、タッチセンサーに触れると「おりん」が鳴る。コミュニケーションをテーマに掲げ、現代のテクノロジーを取り入れた「コハコ」は、デザインスタジオのBIRDMANと映像制作の二番工房が発起人となり開発。製品化に向け、製造、販売パートナーを募集しているという。第5回エンディング産業展のブースにて、BIRDMAN・宮坂雅春氏にコンセプト公開後の反響と制作のきっかけを聞いた。
画像: 呼びかけると遺影を表示、スマート仏壇「コハコ」発表後の反響は?

「エンディング産業展では沢山のお客様にいらしていただいて、反響は今の所はポジティブな印象です。ネットやSNSでは賛否様々なご意見をいただいていますが、我々が思っていたよりも新しいと感じてくださっている印象ですね。そもそも我々は葬祭業界の者ではなくて、企業様の商品開発のお手伝いをしている会社達が何か世の中にないものを作ろうぜって言って、プロジェクトとして立ち上がったんです。世の中になくて、かつテクノロジーがなかなか及んでないところを見渡した時に、仏壇は結構ないかもねって。実際、僕の義理の父が昨年亡くなった時に、初めて自分の家に仏壇を置くという状況になって、仏具屋さんに行った時に仏壇単体を見たら素敵なものはすごくたくさんあるんですけど、僕の家のこの辺に置きたいなって思ったところに置けそうな仏壇がなかなか見つからなかったんです。その話を周りにした時にそうなんだよねっていう声や白い箱みたいな仏壇があったらいいのにねっていう声を聞いたんですよね」

プロジェクトではブレインストーミングを重ね、”デザインだけじゃなくて、もっと仏前に立つとか手を合わせる、故人のことを思い出す機会が増えるような仏壇をテクノロジーを使ったらできるかもしれない”と行き着いたという。それは、決してこれまでの仏壇を否定するわけではなく、新たなる提案の一つ。

「もちろん伝統的な仏壇のスタイルを否定するつもりもないですし、今後も続いていくだろうってことは理解していて。その上で、もっと別の選択肢があってもひょっとしたらいいんじゃないかなという門外漢だからこそ考えられる無邪気な新しさですかね。コハコよりもおしゃれな仏壇はもっといっぱいあると思うんです。そこではなくて、コミュニケーションをテーマにして、直接会話することはできないけれどたくさん思い出したり、あるいは向こうからもメッセージが届くような仏壇自体にコミュニケーションが発生したら、それが新しい習慣になったらと」

ソフトウェアの進化につれ新しいデバイスに変えていく仏壇

「エンディング産業展では、お客様から様々なアイデアをいただく機会もありました。例えば、AIを使ったものとして、故人の方の声を記録した故人の方の言語モデル、その方が何を聞かれるとどういう風に答えるのかっていうモデルを作っておくと、このコハコの中にAIとしてその方が存在するような。「おじいちゃんおはよう。行ってくるね」って言うと、僕のおじいちゃんはいつも「おう、車に気をつけろよ」って絶対言うんですけど、例えばそういう会話ができるんじゃないかというご意見をいただきました。今発表している機能は暫定ですが、テクノロジーを活用しようとなった時点で機能はどうにでもなるかなと思っています」

まだまだアイデアは広がりそうだが、具体的な販売のめどはまだ立っていないとのこと。

「我々はメーカーではないので、自分たちで製造して販売することはできないので、こういった形でコンセプトを発表して、実現してくれるパートナーさんを探しているところですね。それが仏壇メーカーさんなのか、インテリアメーカーさんなのかわからないですけど。もし実現したら、きっとまだまだ進化するでしょうし、我々がもっと思ってるのは、通常の仏壇だと1回購入したら代々使い続けていくものですが、これは家電みたいな考え方で、中に入れるデータは過去帳のようにずっと代々受け継ぎ続けるけれど、デバイス(ソフトウェア)は進化していくにつれて新しいものに変えていくっていうものにしてもいいんじゃないかなって。常にその時代、その時代の最新のコミュニケーション機能を搭載したものを使っていくことができるんじゃないかなと思っています」

テクノロジーを搭載した新たな仏壇のカタチ。 平成の時代では住環境や家族構成などの変化とともにニーズに合わせてコンパクトな仏壇など新たなカタチが生まれてきた。令和時代ではどのように変化していくのか、仏壇仏具市場の動向にも注目だ。
画像: ソフトウェアの進化につれ新しいデバイスに変えていく仏壇

▼「コハコ」公式WebサイトURL
http://www.COHACO.rip

▼「コハコ」コンセプトムービーURL
https://youtu.be/SxHn5ghWtk0

【現在公開されている機能】
・位牌(いはい)に見立てたUSBメモリをコハコの中に入れると、7.9インチの円形IGZO液晶ディスプレイでUSBに保存された写真や動画データを再生。
・故人の名前を呼びかけるとディスプレイに遺影の写真を表示。
・タッチセンサーに触れると「おりん」が鳴り、アロマが香る。
・手を合わせると、モーションセンサーが反応して写真が変化する。
・あらかじめ設定した日時に写真や動画を自動再生させたり、遺族が仏前に立ったときに自動でメッセージを流す。

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