「気づかい」こそが最高のサービス。
人にしかできないことを追求することが私の使命です。

“その人らしさ”にこだわり、「100人いれば100通り」の葬儀をプロデュースすることで知られる株式会社アーバンフューネスコーポレーション。IT導入の先駆け的な存在として、供養業界から常に注目を集めている同社だが、次々と新しい試みを打ち出すその企業姿勢にはどのような想いが込められているのか。中川社長にお話を伺った。

「その人らしいお葬式」にこだわり始めたきっかけは何ですか?

 葬儀事業に携わる以前に、友人の父が亡くなりお葬式に参列したことがあったのですが、故人様がどのような人だったかまったくわからず、残念な思いをした経験がありました。葬儀ではご縁があるにも関わらず、名前と祭壇の小さな写真しかその人を表すものがなく、故人様の情報がほとんどないまま手を合わせることも少なくありません。それが違和感として残っていて、集まった人たちが亡くなった方に対して何か想いを共有しながら弔える葬儀にできないか、と思ったのがきっかけです。

葬儀をプロデュースする中で大切にしていることはありますか?

 すべての葬儀に必ずテーマを設けることが大切だと考えています。それは「何のために葬儀を行うのか」という原点に向き合うためでもあります。火葬だけでも葬儀として認められる中で、なぜご遺族は葬儀をあげる選択をしたのか。また、家族葬を希望するご遺族であれば、なぜ家族だけで行いたいと思ったのか。それをひも解いて明確にしていくことで、お客様が本当に求めている葬儀にたどり着くことができると考えています。

画像: 葬儀ではお客様が「納得感が得られる」提案を心掛けているという中川氏。

葬儀ではお客様が「納得感が得られる」提案を心掛けているという中川氏。

葬儀を行う前に、一度原点に立ち返るわけですね。

 そもそもお客様は葬儀を依頼される段階では、私たちに特別なものを求めてはいません。正確には求めるものが顕在化していないと言うべきでしょうか。ぼんやりと決まっているのは予算や行う地域だけで、「どんな葬儀にしたいか」ということにまでは考えが及んでいない場合がほとんどです。その中で後悔のない葬儀をあげるには、潜在的な想いをどう引き出すかがすごく重要になります。
 
 葬儀は生活の一部であり、人生を豊かに送るために存在していると私は考えています。死後に近親者からどのようにして見送られるかは生き方によって変わるため、人生においての指標になります。また、見送る側の立場であれば、「家族の葬儀は立派なものにしたい」と思えば、そのための努力を普段からしていなければなりません。つまり、そうしたさまざまな想いを形にしたものが葬儀であり、だからこそ“その人らしいお葬式”が出来上がるのです。葬儀は数日で作られると思われがちですが、実際はそれまでの積み重ねによって成り立つものだと思います。

画像: 大相撲の第54代横綱「輪島」こと輪島大士さんの葬儀では、祭壇を土俵の形にあしらった。

大相撲の第54代横綱「輪島」こと輪島大士さんの葬儀では、祭壇を土俵の形にあしらった。

現代の葬儀社の役割についてはどうお考えですか?

 昔は近所の人が亡くなると、当然のように親戚や地域の人たちによる助け合いが行われていました。しかし、時代の移り変わりに伴う生活環境の変化によって、そうした関係性は希薄になりつつあります。希薄な関係性の中で、突然葬儀を行うことになると、頼るのは葬儀社になる。なので、親戚や地域の方々に代わってサポート役を担っているのが葬儀社だと思っています。

その他に、力を入れていることはありますか?

 葬儀についてはもちろん、アフターサポートにも注力しています。法事についての説明や手配、相続の相談など、葬儀後に何をすればいいのかわからないという方も多数いらっしゃいます。実際にお客様から「各種手続きや整理が大変で、葬儀が終わった後のほうが大変だった」という声を多く耳にします。そこで気づかされたのは、形式としての葬儀が終わっても、お客様の不安や心配事は終わらないということでした。その後のフォローも含めて葬儀社の役割なのではないかと考え、無料で葬儀後のサポートを行っています。

画像: 「大切な人が亡くなった悲しみを最後に噛み締めることができる場所、それが“葬儀の本質”なのです」(中川氏)

「大切な人が亡くなった悲しみを最後に噛み締めることができる場所、それが“葬儀の本質”なのです」(中川氏)

今、お客様から求められていることは何なのでしょうか。

 求められていることは「気づかい」だと思います。それは時代を問わず、不変のものではないでしょうか。例えば、質素で演出の少ない普通の葬儀を行っても、行き届いた気づかいができていればお客様は満足してくれます。逆に、どれだけきれいな祭壇を作り美しい映像を用意しても、気づかいができていなければ不満が残ります。つまり、葬儀の仕事は気づかいこそが最高のサービスであると考えています。

IT事業にも積極的に取り組まれていますが、その意図を教えてください。

 供養業界にもITやAIの導入は必要だと思っています。例えば、葬儀について調べている人がいるとして、その段階で求められるのは、正しい情報を素早く手に入れることでしょう。ITツールを活用することで、私たちにとってもコストや時間を節約できるので、双方にメリットが生まれます。反対に、人だからこそできることもあり、それがIT化によってより鮮明化されます。それはアナログな「気づかい」かもしれないし、違うものかもしれない。お客様によっても価値観はさまざまです。そこにどうアプローチし追求していくか。それが私の使命だと感じています。

プロフィール

中川 貴之(なかがわ たかゆき)

1973年生まれ。明治大学政治経済学部卒業後、電子部品メーカーに入社。98年より結婚式プロデュース会社の㈱テイクアンド・ギブ・ニーズの立ち上げに参画。役員として株式上場に携わる。2002年10月、葬儀業界へ転進。株式会社アーバンフューネスコーポレーションを設立し、代表取締役社長に就任。2007年に「ハイ・サービス日本300選」(経済産業省主催)の第1回選定企業受賞。2008年に「ドリームゲートアワード2008」を受賞。2012年1月には代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)となる。明海大学非常勤講師。

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