6月28日(木)・29日(金)の両日、パシフィコ横浜(横浜市西区)にて『フューネラルビジネスフェア2018』が開催された。葬儀業界において最大級のイベントであり、各社が最新サービス・商品や新しい取り組みを発表する中、会場内の特別ステージでは生花祭壇業界の大手企業2社による生花祭壇設営講習を実施。生花店の従業員や、葬儀社の生花部門の担当者が多数参加した。
葬儀にとって花は、供花、献花など、なくてはならない重要な役割を担う。中でも生花祭壇は、葬儀のビジュアルで最もインパクトが強く、製作者の腕が問われるサービスだ。そんな設営技術の向上を目指し、技能検定試験を運営している一般社団法人フューネラル・フラワー技能検定協会(技術協力:株式会社ユー花園)が、会場内で2日間にわたって、初級者から上級者までを対象に講習を行った。
業界の技術向上のため
「技能検定試験」「派遣型講習」を実施
「私どもの協会は、日本の葬儀葬祭事業における生花装飾文化の普及と、これに関連する技能育成に関する事業を行う事により、生花装飾技術の継承、新たな花文化の創造、並びに花文化の発展に寄与する事を目的として2014年に設立された団体です。提供するサービスは、技術をはかるための技能検定試験の実施と認定、また、認定講師による派遣型講習などに大別されます」(広報担当者)
下からD級、C級、B級、A級、S級。制限時間内で各課題をクリアしていくことで昇級することができる。S級になると、祭壇を作る以外にもデッサンの試験や、マナー講習の受講など、難易度もかなり上がる。検定試験は年に2回、都内の世田谷市場で行われ、現在の法人会員は52社、個人会員で約300名。派遣型講習(1回65,000円~)は、企業向けの教育研修として年々需要が高まっているという。
葬儀の縮小化が進むからこそ
祭壇の美しさが意味を持つ
仙台、長野、大阪、高松、福岡などに支店を開設し、生花祭壇の普及に全国レベルで努めているのが株式会社ビューティ花壇だ。同社は「技術者の育成」が生花祭壇事業の成長を支えるうえで最も重要な要素の一つであると捉え、社内で技術認定制度(全15級)を設けるなど、業界トップクラスの設営技術を持つ。毎年、フューネラルビジネスフェアで講習を行っており、高度な技術を学ぼうと、多数の受講者が詰めかける。
同社の中島雅司担当課長は、家族葬など葬儀のコンパクト化が進む今だからこそ、生花祭壇は重要な意味を持つと話す。「基本的に葬儀は悲しいもの。しかし、一人に一度きりしかないものだからこそ、せめて祭壇は美しく飾りたい。『きれいな花で送ってもらってよかった』とご遺族の方に喜んでもらえたときが何よりうれしい瞬間ですね」
<会社概要>
一般社団法人フューネラル・フラワー技能検定協会
〒154-0015 東京都世田谷区桜新町2-12-22(株式会社ユー花園 本社ビル2F)
株式会社ビューティ花壇
〒862-0967 熊本県熊本市南区流通団地1-46