ライフエンディングテクノロジーズ株式会社 取締役 冨安 達也氏

2020年1月にリリースされた「やさしいお葬式」。ライフエンディングテクノロジーズ株式会社(以下、ライフエンディングテクノロジーズ)が運営する、葬儀社紹介のポータルサイトである。同社は、4月には僧侶派遣サービス「やさしいお坊さん」、僧侶が遠隔で法事・法要などを行う「スマ僧侶」など新サービスを次々に提供開始。5月に入って終活用語集や般若心経の読経動画を公開するなど、積極的な取組みを進めている。

サービス開始のきっかけや想い、今後の展望について、同社取締役の冨安氏にお話を伺った。

ライフエンディングの悩みごとをトータルで解決したい

━━まずは冨安さんのご経歴と、ライフエンディングテクノロジーズを立ち上げられたきっかけを教えていただけますか?

私は、18歳で大阪に本社がある株式会社公益社に就職し、その後、東京でも複数の葬儀社に所属して東京の葬儀事情を学びました。それから父が経営する株式会社ティアで葬儀担当者、関東地方新規出店担当、フランチャイズの店舗開発などを行っておりました。

2019年夏に、弊社代表から私に「もともと葬儀業界、終活に関する人のライフエンディングに興味を持っており、終活関連のサポート需要が急激に増えるだろうと思っているが、それをトータルで解決する方法や情報を提供できる組織を作りたい」という話があり、そのことがライフエンディングテクノロジーズを立ち上げたきっかけとなりました。

━━そうして最初に始められたのが「やさしいお葬式」サービスですね。

はい。「やさしいお葬式」は葬儀だけでなく終活に関するポータルサイトを目指しており、終活、葬儀、アフターサービス関連のコンテンツ強化にも注力しています。

葬儀社を紹介するポータルサイトは既にいくつもありますので、「やさしいお葬式」も料金体系は先行する会社さんとそれほど変わらない水準で設定しています。一方で、コールセンターの品質についてはこだわっており、葬儀の現場を熟知したスーパーバイザーが就くことで、オペレーターがお客様からしっかりと情報を聞き取り、葬儀社におつなぎできる形を実現しました。それが結果としてお客様、葬儀社様両方の満足度を高め、より多くのご相談をいただけるようになると期待しています。

画像: y-osohshiki.com
y-osohshiki.com

「その人らしいお葬式」とは?

━━「やさしいお葬式」の特徴はどのようなものでしょうか。

弊社では「やさしい価格」と「質の高さ」を大切に、「その人らしいお葬式」が出来たかどうかということを重視しています。

━━そう思われる経緯としては、ご自身の経験があったそうですね。

父方の祖父の葬儀がきっかけです。祖父は、愛知県豊川市で農業を営んでいましたが、亡くなったときには、父の仕事の関係もあり個人葬というより、社葬に近い形で執り行われました。約800人以上の方が参列してくださって大変ありがたい反面、これは本当に祖父らしいお葬式だったのかな、本来ゆっくりお別れしたい人たちが心置きなくお別れできたのかな、という点で後悔が残りました。

私自身も、離れて暮らしていた祖父が、生前どういう方々と関わって、どう生きたのかを葬儀を通して改めて知りたかったという思いがありました。

私は、葬儀とは亡くなった人が主体であって欲しいと考えています。故人とゆかりのあった方が別れを惜しみ、故人の人生を想う時間になるような、そういうお葬式を提供したいと思っています。

━━それが「その人らしいお葬式」ということなのですね。その思いを実現するために、「やさしいお葬式」を立ち上げ、全国に提携先を拡大されています。

人口の多い東京・大阪を中心に提携葬儀社を増やしていますが、やみくもに提携社数を増やすことを目的とするよりも、葬儀に対しての想いやクオリティを重視した提携を進めたいと思っています。

また、ご希望の提携葬儀社には、有償で収益改善のためのご支援も行っています。私自身の上場葬儀社2社での経験を生かして、採用人事、売上単価向上や集客などに関するノウハウのご提供も可能です。今後の業界を取り巻く厳しい状況を考えると、少しでも業績改善のお手伝いができればと思い始めました。

葬儀社向けM&Aや、寺院向けコンサルティングも。

━━事業としてはポータルサイトや葬儀社向けの業績改善コンサルティングの他に、葬儀業界特化型M&Aアドバイザリーなども掲げていらっしゃいますね。

M&Aについては、事業承継の手法のひとつとして考えています。弊社が行う事業承継サポートは
何より私自身が経営者の息子であることも強みのひとつと捉えております。

葬儀社に関わらず、一般に事業承継や相続の難しさは、親子関係の難しさでもあり、その気持ちを汲み取れる者が提案を行わないと、話自体が全く進まない面があります。弊社が関与することで、最適解をご提案できればと考えています。

━━4月には僧侶派遣サービス「やさしいお坊さん」 、さらにZOOM・LINE・Skypeなどで僧侶に 葬儀・法事での読経法話を依頼したり、それ以外の仏事に関することを相談したりできる「スマ僧侶」をリリースされました。

やさしいお坊さん」については、従来よりお客様から「お寺様を紹介して欲しい」とのご要望を受けており、弊社はもともと僧侶様との繋がりや知見があったため、事業展開を決めました。お客様、僧侶様、葬儀社、と三者それぞれの事情を汲みつつ、マッチングできるのが強みです。

「スマ僧侶」については、もともと「ライフエンディングテクノロジーズ」という社名のとおり、テクノロジーを使ってライフエンディングをサポートすることを事業目的としていたこともあり、新型コロナウイルス感染拡大のニュースが広がる前から検討していました。

そのようなときに、お客様の要望でオンライン読経をさせていただいたことがあり、施行後にお客様へヒアリングしたところ、葬儀や法事のお経だけでお終いではなく、お墓・仏壇や仏教全般に対する相談を聞いて欲しい、というご要望をいただいて、現在のようなサービスができたのです。

本来なら、現地で対面により葬儀や法事を行えるのが一番だとは思いますが、様々な事情で難しい場合に、こういった方法もありますよと伝えていきたいですね。

終活をポジティブに!

━━今後の事業の展望はどのように考えてらっしゃいますか?

引き続き、弊社ポータルサイトの認知を上げ、受注件数を増やしていきたいです。加えて、保険や医療・介護を中心としたオフラインでの葬儀のご相談も積極的に受けていく予定です。

そして「高齢者の悩みごとの解決」を実現するために、「ポジティブ」な終活を推進していきたいと考えています。

いずれ人は亡くなるものであり、「死」自体は悪いものではないはずなのに、「迷惑をかけたくないから」とやむなく終活に取り組んでいる方が多いと感じています。どちらかと言えば、従前からネガティブなイメージを持たれている印象です。

私自身、実際に自分のエンディングノートを書いたことがあるのですが、正直あまり楽しいとは感じられませんでした。理由として、そもそも独力で書くのが困難な部分が多く、自身が亡くなったらどうなるかという不安ばかりが先行してしまいます。そのため、終活に取り組む方が「この不安要素を解決すれば、これからの人生を心置きなく生きられる」というプラス面に意識を向けられないとダメだなと感じました。

終活に関わる専門家は、ただ不安を煽るのではなく、「この将来の不安ごとを解決して、人間関係と時間とお金を有効に使いましょう」という提案を相談者に行う必要があるのだと思います。

そこで、弊社の事業を通じて「楽しいことを心置きなくできるように、終活もやっておこう」という考えが当たり前になる世の中に変えていきたいと考えています。

葬儀の場合、ご家族とのお付き合いは基本的にお通夜・告別式などの約2〜3日の関係になりますが、私はご家族とのやり取りを葬儀だけに終わらせず、より息の長い関係性を育んでいきたいと考えています。

本当の意味で、家族の仏事ごと、相続に関する悩みごとを解決するために、もっともっと広い知識知見を得て、お客様の不安ごとを無くしていきたいですね。

会社概要

会社名:ライフエンディングテクノロジーズ株式会社
資本金:1,820万円(資本準備金含む)
役 員:代表取締役 白石 和也
    取締役 冨安 達也
設 立:2019年9月
所在地:〒105-0003 東京都港区西新橋3丁目24−5御成門ビル6階
事業内容:インターネットメディアの企画・開発/コンサルティング業務/FC事業

▼ライフエンディングテクノロジーズ株式会社 公式サイト
https://www.le-tech.jp/


This article is a sponsored article by
''.