画像: 株式会社メモリード IT事業部 戸塚淳一氏

株式会社メモリード IT事業部 戸塚淳一氏

新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的として、最近増えている葬儀のオンライン中継。遠方にお住まいだったり、お身体が不自由だったりなどの理由で葬儀に参列できない方をなくしたいと、2年以上前から課題解決に取り組んできたのが株式会社メモリードである。

今年4月に「葬儀webトータルサービス」を開始して話題を呼んだ。同社でサービス開発を牽引したIT事業部 戸塚淳一氏に話を伺った。

動画配信だけでなく、香典送付など多様な機能が特長

━━「葬儀webトータルサービス」はどのようなサービスでしょうか?

当社のサービスは、葬儀の様子を動画で配信するだけでなく、訃報連絡、参列者からの供花・供物の注文受付、弔電の依頼、香典申込み、思い出アルバムの作成・閲覧、喪主様からの返礼品注文など、さまざまな機能をご利用いただけることが特長です。特に香典をクレジット決済でお送りする事ができるのは例がなく、大きな特徴の一つといえるでしょう。これらの機能を全部使うことも、一部機能に限定して使うことも可能です。

動画はYou Tubeを使っていますが、「限定配信」設定したうえでサイト内に埋め込まれていますので動画のURLだけが誤って拡散されたりする心配はありません。

「葬儀webトータルサービス」は、弊社でご葬儀をされる方であれば皆様、無償でお使いいただけます。

━━さまざまな機能が用意されていて、そのうち必要な機能だけを選べるのは良いですね。実際にこのサービスを使うときは、どのような流れになりますか。

ご葬儀の依頼を受けると、葬儀社の打合せ担当者が専用のシステムにご葬儀の基本情報を入力し、自動生成されたURL、QRコードが記載された訃報紙(訃報案内)を出力して喪主様にお渡しします。

喪主様は、ご自身のパソコンもしくはスマホで、訃報紙に記載されたURL入力もしくはQRコードを読み込むことにより訃報連絡画面(下図左側スマホ画面参照。以下同じ)が表示されます。そして、訃報連絡画面の左上にあるフェイスブック、ツイッター、LINE、メールいずれかのアイコンをタッチすることで、簡単に、親族や知人の方に訃報を伝えることができます。

訃報案内を受け取った方は、メール等に記載されたURLをタッチすると、訃報連絡画面が表示され、供花・供物注文、弔電手配、香典送付、葬儀の動画視聴を行えます。また喪主様と同じ手順で、さらに訃報を転送することができます。

画像: 左が訃報連絡の画面。下部にある「お申込みへ」をタップすると、右の弔電・供花・供物注文画面へ遷移する presol.co.jp

左が訃報連絡の画面。下部にある「お申込みへ」をタップすると、右の弔電・供花・供物注文画面へ遷移する

presol.co.jp

慣れない人でも使いやすいUI/UXを実現

━━このサービスを企画されたのには、どのような思いがあったのでしょう?

もともとは、遠方にお住まいの方や身体が不自由な方に、少しでもお別れの場を提供できる方法はないかと検討を始めたのがきっかけです。

また、ご逝去のあと、短時間で多くの関係者へ連絡しなければならないのは、葬儀で大変なことのひとつです。これまで、訃報を伝えるには、電話や、葬儀情報を記した書面をFAXしたり、ご近所などに直接手渡しに行ったり、新聞のお悔やみ欄に掲載するといったことが中心でした。時間もかかりますし、人づてだと日時・会場などが正しく伝わらないこともあります。

このサービスを使っていただくことで、早く、間違いなく伝えることができますし、ご不幸があったことを後から知る、といったことも減らせるのではという思いもありました。

━━開発はどのように進められましたか?また、苦労されたことは何ですか?

プロジェクトが始まってすぐに、ソフトウェア開発をしている弊社グループ会社も参画することとなり、彼らに実際の葬儀施行の現場での情報を共有したり、機能についての希望を伝えたりしながら共同で開発を進めました。

こだわったのは、どうすれば使い勝手を高められるかという点ですね。さまざまな分野の方にご意見を伺いながら、画面の見やすさ、操作のしやすさなどを検討しました。たくさんの意見を全部盛り込むことはできないので、コストと開発期間との兼ね合いを考えながら取捨選択するのは大変でしたね。

しかし、その甲斐あって、初めてこのシステムを使う方でも迷わずに情報をシェアしたり、注文したりできるように分かりやすい仕様に仕上がったと思います。

━━施行者側の操作も簡単にできるよう設計されたと聞きました。

忙しい準備の中で対応するため、施行者に使いやすい仕組みであることも重要でした。例えば、動画配信方法としてYou Tubeを選んだのも施行を担当する者がスムーズに扱えることがポイントになりました。

他の方法もいくつか検討したのですが、システム開発上の制約が多かったり、画像埋め込みができなかったりするんです。You Tubeだと、URLをサービス画面に埋め込むのが簡単にできるし、動画を保存しておくための専用サーバーを別途、設けなくても良いということも決め手になりました。

また、香典送付の機能は使わない、など喪主様のご要望にしたがって機能をオン・オフするのも、管理画面ですぐに設定できます。

当初は今年5月頃にリリースする計画でしたが、新型コロナウイルスの影響で、葬儀への参列を躊躇される方が増えてきたことから1ヶ月前倒しして4月からサービスを開始することにしました。

多くの人に、故人とのお見送りの機会を提供したい

━━公開されてみて、お客様の反響はいかがでしたか?

皆様、ご興味は示してくださいますし、コロナ対策として異議は感じてくださっているようです。本来であれば、全ての施行でご利用いただきたいサービスでありますが、まだそこまでは至っておりません。

それでも、県外、国外にお住まいで、葬儀に参列し直接お別れをしたいが叶わない等のご事情がおありの場合に、葬儀の様子を動画で配信し、お別れをしていただければとの喪主様の思いから、徐々にではありますがご依頼をいただくようになってきており、4月のサービス開始から現在まで40〜50件の依頼をいただいております。

━━今後はどのような展開を考えていらっしゃいますか?

サービスをスタートしたばかりであまり知られていませんので、まずは互助会の会員向けに配信しているLINE公式アカウントやメールマガジンなどを活用して認知を広げたいと思っています。互助会の入会を勧めるときなどにも、積極的にご案内をしていきたいですね。

またご逝去の際の打ち合わせ時にも施行担当者が、改めてサービスをご案内しています。そうやって少しずつ利用され、参列者としてお使いいただく機会が増えれば、「こういうサービスがあるから、メモリードを選ぼう」と思ってもらえるようになることを願っています。

また、外出自粛要請が解除されたとはいえ、以前と同じような規模での葬儀をするのは躊躇されたり、感染が不安でお見送りに行きたいけれども遠慮されるような状況は、もう少し続くでしょう。

弊社のサービスをご利用いただくことで、大切な人とお別れしたくてもできない方に少しでもお役に立てれば良いなと考えています。

▼株式会社メモリード 公式サイト
https://memolead.net/


This article is a sponsored article by
''.